Kobayashi Lab.

Nagasaki University

長崎大学工学部工学科情報工学コース
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研究理念

公平な情報社会を実現するために

小林透研究室では、IT機器を利用した情報取得・利用に慣れていなくても、不利益が生じない公平な情報社会を実現することを研究理念にしています。具体的には、以下の4つをゴールに設定しています。

人に近づくWebサービス

ユーザがネット上のWebサービスに近づく努力をしなくてもWebサービスの方からユーザに近づく世界の実現。

コミュニケーションを広げる

これまで繋ぐことができなかった人たちを繋げ、コミュニケーション可能となる世界の実現。

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自分のことは自分で

「人に頼ることなく自分のことは自分で」を可能とする世界の実現。

人に寄り添うAI

AIが一人ひとりの個性を尊重し、人のパワーを引き出す世界の実現。

背景

近年、ブロードバンドネットワークの進展やクラウドサービスの拡張に伴いユーザにとって魅力あるWebサービスが増えて来ています。 一方、タブレットPCやスマートフォンなどのユーザフレンドリーな端末の登場により、これまでネット上のWebサービスを利用していなかった人々も 気軽に利用できるようになりユーザ層が広がってきています。

しかし、ユーザは、それぞれは異なる趣味嗜好、あるいは価値観を持っているにも 関わらず、ネット上のコンテンツやWebサービスを利用する際の環境はみな同じです。また、高齢化の進展に伴いスマートフォンなどの最新の端末を利用できない人たちが増えています。これでは、せっかくSNSなどの便利なネットワーク サービスが利用できるようになっても、スマートフォンを利用できない高齢者は、若年者とコミュニケーションすることができません。

さらに、少子高齢化、人口減により、これまでと同じレベルで行政サービスを受けることは難しくなってきています。可能な限りで自分のことは自分で 行えるような世界の実現が急務です。

研究概要

小林透研究室では、上述した研究理念のもと、解くべき課題を明確にして、IoT技術、人工知能、ビッグデータの各関連技術を活用した具体的な取り組みを行っています。

課題1

ネット上のコンテンツやWebサービスを利用するためにユーザは自ら画一的な操作環境により必要なサービスを探し、利用する能力を身につける必要があります。

特に、ネット上の多くのサービスの中からそのユーザが必要なサービスを見つけ出すことは、ユーザの能力に大きく依存しています。つまり、ユーザ間における情報活用能力格差の問題が顕在化しています。

課題1に対する取り組み - 非接触操作技術 Chameleon

課題を解決するために、自分のスマートフォンを公衆機器に近づけるだけで、自動で操作画面に切り替わり、公衆機器の操作が可能なChameleon技術を開発しています。これは、動物のカメレオンが、周りの環境に合わせて自分の体の色や模様を変えることに着目したバイオミメティクス(生物模倣技術)の一つです。

この技術によれば、いちいちスマホ上のアプリを選択して起動するといった煩雑な操作は不要です。将来的には、この技術をブラウザの機能として実装することで、一つのChameleonアプリだけで、Webサーバ上の情報の閲覧だけでなく、公衆機器の操作も可能となります。これにより、One application for allを狙います。

課題1に対する取り組み - マルチスクリーン型トレンドサーフィンシステム

課題を解決するために、情報のフィルタリング技術とWeb技術に着目し、ユーザの利用に応じて内容が刻々と変化する性質を持つ新しいWebブラウザ(ユーザ適応型Webブラウザ)の実現を目指しています。

これをクラウドシステムと連携して実装することにより、すべての人に公平で、人や社会に役立つサービス創造の基盤インフラとすることを狙っています。

マルチスクリーン型トレンドサーフィンシステム

検索急上昇ワードを自動で抽出し、それをタップするだけで、他のスクリーンに関連するコンテンツを表示させることができます。

検索キーワードを入力できない人や、検索キーワードを思いつかいない人でも、タブレットコンピュータをタップするだけで、関連する情報を芋づる式に検索、表示させることができます。

この動画は、トレンディドラマに関する関連情報を複数のスクリーンに表示させているところです。

課題1に対する取り組み - ながさきロケなび

当研究室は、3年前から、ロケーションツーリズムにより長崎の観光振興に資する観光情報提供システムの開発を行っています。本システムは、長崎フィルムコミッションとのコラボにより、長崎県内でロケされた映画やドラマのロケ地情報を多言語化して全世界に公開しています。

従来の観光情報提供システムは、観光地の紹介といった画一的なものが多く観光客の個々のニーズに沿った情報提供がなされていません。また、情報の更新や多言語化にコストを要したり、観光コンテンツ毎にシステムを構築する必要があったりするなどシステム提供上の問題がありました。

そこで、我々は、自己拡張型観光支援プラットフォームを提案する。本プラットフォームは、観光コンテンツをRDF化することにより観光客のニーズに沿った柔軟な情報検索を可能としています。さらに、観光地での観光客のツイートを言語別にリアルタイムに取り込むことで自己拡張を可能とし、少ないコストで他の観光コンテンツに適応させることを可能としました。

「ながさきロケなび」の利用模様

課題1に対する取り組み - 外食産業支援アプリ「Mottekoh(もってこ~)」

新型コロナウイルス感染症の拡大により、全国的に外出自粛の動きが広がっています。この影響は、特に外食産業において大きな打撃となっています。そのため、少しでも来店客減少の影響をカバーするために、新たに食品メニューのテイク・アウトを始める事業者が増えています。しかし、特に中小の事業者は、テイク・アウトメニューを広く消費者にアピールする手段がないため、消費者は、どこのお店でどんなメニューがテイク・アウト可能なのかがわかりにくいという問題がありました。そこで、スマートフォンの簡単な操作だけで、テイク・アウトメニューを幅広く消費者にアピール可能なアプリ「Mottekoh(もってこ~)」を開発し運用を開始しました。

本アプリは、Robotic Process Automationの技術を活用し、事業者自らがテイク・アウトメニューを登録する機能と消費者がその好みから近くのテイク・アウトメニューを検索する機能からなっています。事業者は、自前のWebサイトを用いなくても、スマートフォン一つでテイク・アウトメニューのアピールが可能となります。また、消費者は、多くのテイク・アウトメニューの中から、近くにある自分の好みのテイク・アウトメニューを検索することが可能となります。これにより、本アプリでは、テイク・アウトメニューを提供したい事業者とプロが作ったおいしいものを自宅で食べたい消費者のニーズをマッチングさせることが可能です。

(左)利用者画面  (右)利用者QRコード

課題2

IT機器を利用できる能力を表すITリテラシは、人により異なります。特に高齢者はそのITリテラシが低下する傾向があります。 そのため、SNSを使いこなしている若年者層が高齢者層と手軽にコミュニケーションすることができません。

また、大規模な災害などで、 通信ネットワークが途絶してしまうと緊急を要する人命救助に支障をきたしてしまいます。

課題2に対する取り組み - Amico(アミコ)

課題を解決するために、タブレットPC上のアバターを活用した「Amico(アミコ)」を開発しています。

これは、タブレットPC上のアバターに話かけるだけで、 高齢者がLINEを利用する若年者と双方向のコミュニケーションができるシステムです。タブレットPCの電源プラグを抜き差しするだけで、タブレットPCの複雑な操作をすること無しに、本システムを立ち上げたり、落としたすることが可能です。また、画面上のアバターをタップするだけで、LINEグループで共有されているメッセージや静止画、動画を見ることができます。さらに、画面上のアバターに話しかけた内容は、テキストに変換されて、LINEグループに通知されます。
Amicoは、イタリアで友達という意味です。
#本システムのアバター制御については、神戸大学中村 匡秀研究室の協力を得て行ったものです。

Amicoの起動停止は、とっても簡単です!

Amicoでメッセージを送る方法は、とっても簡単です!

Amicoならビデオメッセージも簡単に送れます!

Amicoからスタンプも簡単に送信できます!

LINEメッセージをAmicoが代読してくれます!

LINEで送った写真もAmicoの大画面で見れます!

LINEで送った動画もAmicoで繰り返し見れます!

課題2に対する取り組み - ソーシャルメディア仲介ロボット

課題を解決するために、IoT技術を活用した「ソーシャルメディア仲介ロボット」を研究しています。

これは、人型ロボットに話かけるだけで、 高齢者がSNSを利用する若年者と双方向のコミュニケーションができるシステムです。これまでの高齢者見守りシステムは、高齢者が自宅で使用する家電の 利用状況を通知するといった、安否確認を目的 としたシステムが主流でしたが、本ロボットは双方向のコミュニケーションに対応することで、高齢者の 積極的な社会参画を促すことを狙ったものです。

現在、ソーシャルメディアとしてLINEを利用し、LINEを利用してコミュニケーションができるようになっています。また、その際、LINEの宛先をそのメッセージの内容から推定する機能を人工知能を用いて実装しています。これにより、高齢者は、あたかも人に話しかけるように、ロボットに話かけるだけで、そのメッセージが正しい宛先のLINEに通知されます。

#本研究の一部は、総務省SCOPE(9524)の助成を受けて行っています。

課題2に対する取り組み - Flying Cloud サーバ

課題を解決するために、IoT技術を活用した「Flying Cloud サーバ」を研究しています。

これは、ドローンにシングルボードコンピュータを搭載し、 無線LAN基地局とWebサーバを実装することで、例え大災害直後で携帯電話のネットワークがダウンしても、スマートフォンのWebブラウザで上空からの画像を 共有したり、チャットしたりすることができます。

これにより、仮にトランシーバなどの専用装置が無くても、特別のアプリがインストールされていない 個人のスマートフォンを利用して迅速な人命救助が可能です。

課題2に対する取り組み - Moving Cloud Server

課題を解決するために、IoT技術を活用した「Moving Cloud Server」を研究しています。

東日本大震災のような大規模災害が発生すると携帯電話のネットワークが使えなくなるため、クラウドサーバを用いた情報共有ができなくなります。そのため不特定多数の人たちが集まる避難所では、従来物理的な掲示板を使った情報共有が行われていました。しかし、物理的な掲示板の場合、だれでも書き込めるため、古い情報と新しい情報が混在したり、場合によっては間違った情報が掲載されたりする可能性がありました。そこで、開発を進めたのが、Moving Cloud Serverです。

このシステムは、避難所のリーダが着用する腕章に電池で駆動するRaspberry Pi を組込み、IoT化することで、クラウドサーバ機能を提供します。 Raspberry Piには、Webサーバ機能と無線LAN機能が搭載されており、避難者が自らのスマホを無線LANでローカルにMoving Cloud Serverに接続することで、携帯電話のネットワークが利用できなくても情報共有が可能になります。つまり、通常はネットワークの先に固定的に設置されているクラウドサーバを、利用者のところにMovingさせることで、ネットワークが使えなくても情報共有を可能にしようというアイディアです。

例えば、A避難所のリーダやサブリーダらが、このMoving Cloud Serverと自らのスマホを使ってチャットを行います。

リーダ:“食パンはある?”

サブリーダ:“倉庫に食パンが100個あります。”

リーダ:“分かりました。共有しておきます。”

すると、リーダは、スマホ上で、このサブリーダのチャットを選択して、“公開”ボタンを押すことで、自動的に避難者全員に公開されている電子掲示版に、時系列に沿って掲示されます

Moving Cloud Serverの利用シーン

課題3

少子高齢化の進展に伴い、これまでのように社会の様々な問題の解決を行政に頼ることはできません。

例えば、フレイルの度合いを可視化することで、高齢者自らが健康寿命を長くするための行動変容を起こさせるフレイル・メータ、車いす利用者のためのバリアフリーマップの作製、 急患を運ぶための救急車の運用、湖沼の環境に悪影響を及ぼすアオコの除去、過労やストレスによる心的障害の予防などです。

課題3に対する取り組み - フレイル・メーター

健康な状態と寝たきりの状態の間の体と心の状態のことを、フレイル(Frailty)と呼びます。このフレイルの状態になるのを、できるだけ遅らせる、あるいは、フレイルの進行を遅くすることが、健康寿命を延ばす上で重要であると言われています。
本研究では、フレイルの指標として重要な3つの項目、すなわち、運動、栄養、社会活動をAIにより定量化し、可視化することで、高齢者に行動変容を起こさせます。
#本研究の一部は、総務省・SCOPEの助成を受けて行っています。

食事内容から栄養素を定量化するAIのデモです。

フレイル・メータのUIです。Webアプリなので、スマホでも確認できます。

課題3に対する取り組み - バリアフリーストリートビュー

課題を解決するために、IoT技術を活用した「バリアフリーストリートビュー」を研究しています。

これは、普段利用している車いすに全方位カメラとスマホを 装着して走行することで、全自動でストリートビューを撮影し、全自動でサーバにデータをアップロードし、全自動でストリートビューに変換して、ブラウザ経由でフィード バックするというものです。段差があった場合は、その位置を記憶するとともに、その写真を撮影し、段差の強弱の情報とともに、フィードバックします。

これにより、例えば 朝降った雨の水たまりのストリートビューをその日のうちに見ることが可能となります。この装置を複数の車いす利用者の車いすに装着することで、利用者自らが情報を取得し、 それを必要な人たちにオンデマンドで提供することができます。

課題3に対する取り組み - 普通の車を救急車に!!

「地図アプリを活用した市民による緊急車両移動情報共有システム」を開発しています。

本システムは、スマホを使って急患を乗せた 一般車両の位置情報をサーバを経由して付近の車に通知することで、一般車両でもあたかも救急車のように、急患を緊急搬送できるという 画期的なシステムです。

本システムは、長崎大学工学研究科平成28年度創成プロジェクト最終成果発表会において、金賞を受賞しました。また、富山大学で開催された「第14回学生ものづくり・アイディア展 in 富山」で、特別賞を受賞しました。

一般車両による緊急搬送デモの実演

課題3に対する取り組み - 自律型アオコ対策ロボット!!

国立大学法人長崎大学海洋未来イノベーション機構の山本郁夫教授とエビスマリン株式会社(本社長崎市大黒町9-22)と共同で、水面に滞留するアオコを沈降処理する“自律型アオコ対策ロボット”を開発しました。

この“自律型アオコ対策ロボット”は、水面状況監視・アオコ検知・発生場所への移動・沈降処理・エネルギー補給機能を備えた自己完結型を開発コンセプトとし、従来の固定型アオコ処理装置では対処できない浅瀬や吹き溜まり等の処理範囲外の水域にも自ら移動し、アオコを沈降させるというものです。

また、あらゆる機器をインターネットにつなぐ「インターネット・オブ・シングス(IoT)」の技術を活用し、タブレット端末などで手軽に遠隔操作が出来ます。

アオコ対策ロボットの評価実験模様

課題3に対する取り組み - Tシャツ型ウェアラブルデバイスによる過労やストレスによる心的障害の予防システム

長崎大学医学部第2生理学教室と女性の健康向上に資するウェアラブル医療機器等の開発および機器利用による診療の質向上に関する研究を行っている。

本研究では,ゴールドウィンと東レ,NTTが共同開発した最先端素材「HITOE」を用いたTシャツ型ウェアラブルデバイスを働く女性に装着してもらうことで、過労やストレスによる心的障害の予防を目指している。

Tシャツ型ウェアラブルデバイスからの生体情報収集の様子

課題3に対する取り組み - LINEドアホン

これまでは、外出中に宅配があった場合、帰宅後、残された不在配達票を基に再配達を依頼していました。そのため、ネット通販の拡大に伴う宅配業者の再配達による過重労働が社会問題となっています。

一方、受け取る側も、帰宅後に桁数の多い荷物番号により再配達の手配を行う必要があり、荷物の受け取りが遅れたり、手間がかかったりという問題がありました。

そこで、開発を進めたのが“LINEドアホン”です。このシステムは、いわゆるドアホンにRaspberry Pi を組込み、IoT化することで、SNSとして広く普及しているLINEに接続します。これにより、荷物受け取り者がどこにいても、携帯しているスマホを通して宅配業者の来訪を知ることができるというものです。

例えば、LINEドアホンでは、宅配業者がドアホンの音声指示に従って、荷物のQRコードをドアホンにかざすと、荷物受け取り者のスマホのLINEアプリ上に宅配業者の写真と、QRコードから変換された宅配業者の携帯電話番号、再配達手配サイトのURLが通知されます。

さらに、スマホに表示された宅配業者の携帯電話番号をタッチするだけで、直接、宅配業者に電話し、例えば、お隣さんに預けるように指示をすることができます。また、スマホに表示された再配達手配サイトのURLをタッチするだけで、詳細な荷物番号を入力することなく、再配達の手配が可能になります。これまでも、ドアホンをネットに接続することで、外出先からスマホで来訪者を知ることができる製品がありました。

しかし、スマホには専用アプリが必要でした。今回、開発したLINEドアホンは、普段利用しているLINEを利用するため、専用アプリが不要です。さらに、QRコードにより、宅配業者の携帯電話番号や再配達手配サイトのURLを通知できることが特徴です。

LINEドアホンの利用シーン

課題4

AIは、人のためにこそ活用すべきです。そのためには、人のために何ができるか一生懸命考える血の通ったAIの実現が不可欠です。

例えば、ひとりひとりの子供たちの能力や興味に見合った英会話を指導するAIロボット、漁業者に代わり生け簀内の養殖魚に適切に給餌するAIロボット、高齢者の生活行動から認知症の予兆を検知するロボットなどです。

課題4に対する取り組み - 小学生英会話先生ロボット

子供たちの英会話能力や興味は様々です。そのような子供たちに英語に興味を持たせて学習意欲を向上させるには、一人ひとりの個性をAIが把握し、それに基づいてレッスンを行う必要があります。
つまり、これまでは、教室全員、同じレッスンを受けていましたが、これをパーソナル化し先生ではなく、ロボットがレッスンします。これにより、その子の習熟度に応じたレッスンが可能となります。
また、その子の興味に応じた会話を誘導することも可能です。例えば、サッカーが好きな子には、サッカーの話題の会話を持ちかけることができます。
これにより、ひとりも英語嫌いにしない新しい初等教育が実現できます。
#本研究の一部は、科研費の助成を受けて行っています。

課題4に対する取り組み - 生け簀5.0

課題を解決するために、IoTとAIを活用した「生け簀5.0」を研究しています。

生け簀5.0は、小林研究室の造語です。
生け簀1.0:人工ふ化・放流
生け簀2.0:海上いけす
生け簀3.0:陸上いけす
生け簀4.0:いけすのスマート化
と来て、生け簀5.0は、生け簀の自立と自律をめざします。
みなさんは、「スペースコロニー」をご存じでしょうか?SF映画に登場する宇宙空間で食物生産が可能な大型の宇宙船です。生け簀5.0は、まさにこの概念を沖合養殖に適用しようというものです。これまで、水中給餌装置、マルチセンサプラットフォーム、自立型マルチセンサプラットフォームを開発しています。これからは、いよいよこれまでの成果をアクアコロニーとして結実し、生け簀5.0を実現します。

#本研究の一部は、長崎県産業振興財団の海洋研究委託事業の委託を受けた株式会社アドミンとの共同研究、及び科研費の助成を受けて行っています。

課題4に対する取り組み - 認知症予兆検知ロボット

課題を解決するために、IoTとAIを活用した「認知症予兆検知ロボット」を研究しています。

認知症は、認知機能の低下だけではなく、生活機能の低下をもたらすことがあります。例えば、普段できていた服薬ができなくなったり、入浴や食事の支度ができなくなったり。本研究では、宅内に加速度センサと通信機能を持ったボタン型の小型センサを複数設置することで、それらのセンサー情報から認知症の予兆を検知しようというものです。長崎大学病院特別室での実証実験や長崎市内の個人宅での実証実験から、取得したデータから行動推定ができることが確かめられました。

#本研究の一部は、総務省SCOPEの助成を受けて行ったものです。

Findability

Smart TV System focused on Findability

大画面を持つTVとパーソナルなスマホがつながったら、どんなことができるでしょうか?

スマホで検索した動画像をTVに表示する。
TVで登場したアイテムをスマホで購入する。

ちょっと考えただけでもわくわくするような新しい使い方が思い浮かびます。 小林透研究室では、そんなことを可能とするスマートTVシステムを研究開発しています。

例えば学校で、今流行りのTVドラマの話題についていけなかった場合、そのドラマの名シーンやドラマの主題歌をYouTubeから自動検索して複数のスクリーンに同時に表示することで、短時間で情報収集ができ、友達との話題についていくことも可能になります。

タブレットPC上をタップするだけで、複数のドラマの名シーンを複数のスクリーンに同時に表示することができます。
これなら、インターネットを使い慣れない人でも簡単に情報を取得することができますね。

また、タブレットPCを傾けるだけで、複数の関連動画を複数のスクリーンに次々に表示することもできます。
例えば、良く知らない女優さんやアイドルから、耳慣れない言葉やある特定の物、それらを理解するために関連する複数の動画などを同時に表示させることもできます。

さらに、音声だけで情報検索や検索結果を複数のスクリーンに表示することも可能です。
音声を認識し、関連するWebページや複数の動画を同時に表示させることができます。
これらの操作のすべてを音声のみで行うことができます。

いかがでしょうか。これらはすべて世界最先端のWeb標準技術を活用して実現しています。 そのため、端末には、Webブラウザのみあればよく、特別のアプリケーションをダウンロードする必要がありません。 みなさんの身の回りの端末を、あっという間に様々な情報表示端末として活用することができます。

Members

2000年広島大学工学部第一類(機械系)卒.2002年同大学大学院工学研究科修士課程修了.同年(株)ブリヂストン入社.主にノンタイヤ部門の生産技術分野で,生産設備の開発・導入・国内外の工程,及び工場立上げに機械担当として従事.IoTを用いての生産性改善に取り組む.2021年から長崎大学URA.電子情報通信学会会員,日本水産工学会会員,博士(工学).


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深江 一輝

情報データ科学部URA

1985東北大・工・精密機械卒.1987同大大学院工学研究科修士課程了.同年NTT入社.以来,ソフトウェア生産技術,情報セキュリティ、データマイニング、Web技術などの研究開発に従事。1998から2002までドイツ、デュッセルドルフに駐在し欧州研究機関とWeb技術、セキュリティ技術に関する共同研究開発、およびスマートカードに関する標準化活動に従事.2013から長崎大学大学院工学研究科教授、IEEE,電子情報通信学会(シニア)、情報処理学会各会員、博士(工学)。
●発表論文(こちらから)
●受賞等(こちらから)


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Author Signature

小林 透

教授

D3
木村 福義
磯崎 敦史

D2
松尾 三央子(産学官連携推進室)
井上 貴夫

D1
濱﨑 利之
原 竜一

社会人ドクター

國武 龍清
田中 祐大
原田 巧実
石下 里奈
濱屋 友啓

大学院2年生

西薗 洸成
藤井 英梨花
宮嶋 理久
山崎 聖士朗

大学院1年生

梶原 康輝
鄒 子昂
高石 淳平
松尾 一志
森山 絢太

学部4年生

お問い合わせ

〒852-8521
長崎市文教町1-14
長崎大学大学院 工学研究科 情報工学コース
工学部1号館4F
研究室:403
小林透教授室:410
Email : toru(*アットマーク)cis.nagasaki-u.ac.jp

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