Kudo, Aichi Prof., D. Sc.
Specialities
Algebra ; Number Theory
Scientific Activities
Structure of ideal class groups and unit groups of
algebraic number fields ;
Discrete mathematics and p-adic analysis
The following is written in Japanese
研究室案内
当研究室は末吉研究室と共同で運営しています。
(1)情報を誤りなく伝えるための数学的理論とその関連分野の研究
通信路で混入する雑音の影響で情報が間違って伝えられることを防ぐために誤り訂正符号の理論があります。
これを短くして符号理論といいます。
途中でどのビットが誤ったかを判別するために余分なビットを付け加える必要がありますがそれをいかに少なくするか、
符号化・復号化をいかに迅速におこなえるようにするかを、有限環、有限体やその上の加群など、
代数系の構造をうまく利用して作り出すことを考える分野です。
(2)情報伝達の安全性・信頼性を高めるための数学的理論の研究
通信の秘密を守る、通信網にアクセスするための資格を証明する、通信内容が本人のものであることを証明するなど、
インターネットの世界では考慮すべき問題がたくさんあります。そのための技術を暗号といって、整数論、群論、
組合せ論、計算量理論など、数学や情報数理のさまざまな分野からのアイデアが実用化されています。
暗号も符号の一種ですが、暗号を解く鍵があれば容易に解読でき、
鍵がなければアルゴリズムに効率的なものが存在せず解読には計算機の進歩が追いつかないほどのしくみを研究する分野です。
問題の大きさnに対してnの多項式オーダーの時間で計算できるアルゴリズムがまだ発見されていないような問題が利用されています。
(3)数学研究への計算機の利用
数学の研究においては、計算機の時代とは言っても、やはり紙と鉛筆による方法が主流です。
しかしながら計算機を使うことが発見を加速する面もあります。
その場合、ある適当な範囲の大きさの問題に対するアルゴリズムの最適化も重要な課題になります。
さまざまなソフトウェアパッケージを使いこなし問題ごとに最適なアルゴリズムを見つけることが大切です。
このような数学の研究に有用なプログラム作りも研究の対象としています。
計算例がたくさん欲しいけれど現在はなかなかそれが手に入らない問題に対して、
現実的な時間で欲しいだけの実例計算を可能にするようなアルゴリズムを考案する分野です。
ここでは計算時間のオーダーを小さくすることのほかに10倍速くするとか100倍速くするということも重要になります。
数学の問題を面白いと思う人、アルゴリズム、プログラミングの知識を深めたい人、
あるいはそれらを磨こうとする意欲を持った人を歓迎します。