ハードウェアの設計はソフトウェアの設計に比べてはるかに 手間のかかるものでしたから、 それを効率化するために、 ハードウェアの機能をハードウェア記述言語によってソフ トウェアのように記述するだけで、 大変だった論理設計や物理設計を自動的に行ってしま う論理合成システム(SFL/PARTHENON)を世界に先駆けて研究・開発しました。
ハードウェア記述言語や論理合成システムは、 今後ますます重要となる研究領域であり、 産業としてもすべての電子装置の設計・製造を 支えるものとして大きな規模を持っていま す(全世界で約1兆円、これはコンパイラの規模よりも大きい)。 当講座にはSFL・ PARTHENONのすべてがそろっており、 これらをベースとして、新しいハードウェア記述 言語や論理合成システムに関する研究を行うことができます
設計が効率化されても設計ごとにLSIを製造するのでは、 結局汎用性のある CPU+MEM に負けてしまう。それではハードウェアそのものに 汎用性を付加すればよいということで 思いついた(小栗、永見、塩澤)のがプラスティックセルアーキテクチャ (Plastic Cell Architecture: PCA)です。
PCAは大化けしてノイマンコンピュータを置き換える可能性もあり、 また全く新しい研究 領域のため、歴史に名を残す、 あるいは大儲けするチャンスであると考えています。 当面は私の前任地である NTT未来ねっと研究所がPCA研究の中心ですが、 数年で長崎大学をPCA研究のメッカとするつもりです。
PCA用のコンパイラはSFL・PARTHENONをベースとするものになりますから PCAとSFL・PARTHENONは一体となるべき技術です。